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2005年の桜は、ちょっと晩生。でもいよいよ咲き始めたそのかわいらしさに春を感じています。
今年のさくらピックアップは、『桜と春と自然と・・・』 を題材に、お伝えしてまいります。





春の自然食会席膳 食彩お献立

 今回ご紹介するのは、河口湖にある自然食にこだわった施設
 アルカンシェール。砂糖や動物性のたんぱく質を使わず、自然
 の持ち味を引き出したお料理を提供してくれます。


 取材に対応してくださったのは、料理部長の奥秋さん。
 第一声が「
マクロビオティックってご存知ですか?
 という言葉でした。「え????え?」ナビィスタッフは勉強不足で
 まったく聞いた事がなかったのでとまどってしまいました。
 「なんですか?それ・・・」

 「簡単に言うと自然食ですが、ただの自然食ではありません。
 食材には陰と陽があって、それをバランスよく身体に取り入れる
 ことによって生活習慣病を含め、あらゆる病気を予防することが
 できます。もちろん現在なんらかの病気にかかられている方の
 食事療法にもなります。」

 「なんかよさそうですね。どんな食材を使っているのですか?」
 「まず、砂糖・肉・魚類・化学調味料はは使わないです。
 穀物菜食ですので穀物を中心にして野菜等をアレンジして
 調味料は醤油や塩などの調味料は伝統的製法で作られたもの
 を用いて、よりおいしく、美しく楽しんで召し上がっていただける
 ように調理しております」



 アルカンシェールは、東京港区にある、かの有名な金刀比羅宮の宮司さん高見沢さんがオーナー。
  「心と体に良い事を社会に還元したい」と4年前河口湖にオープンしたそうです。総料理長は
自然食の第一人者松本光司さん。
 アルカンシェールでお料理教室もされています。
また、体の中からきれいにする、宿便取りなどを目的とした半断食のコースもあります。


  食材は寒い国では身体を温める食材、暖かい国では身体を冷やす食材が採れる自然の原理があり、日本には四季があって、
  そこに住む日本人にとって身体に良い食材が採れるわけです。明治維新前まで日本人の食生活は主に菜食でした。特に戦後、
  欧米から肉食や油を使った食事が栄養価の高いものとして入ってきたのですが、もともと農耕民族の日本人の身体に合わず、
  近年、三大成人病の増加につながったものと考えられます。その日本が捨てた穀物菜食の素晴らしさを欧米の人たちが気づき、
  逆輸入という形で近年日本でも少しづつ見直されてきたのがマクロビオティックだそうです。マクロビオティックのメインディッシュは
  玄米・雑穀・古代米などを使った『ごはん』。お祝いの膳はおかずがメインになりますが、普段の食事はこの「ごはん」がメイン。
  ごはんを多く身体に取り入れることで身体のバランスが取れてくるそうです。今回ご紹介するのは自然食会席膳。お祝い膳になる
  ので「おかず」が多くなりますが、その中でもバランスを十分考えて作られた春爛漫のお料理です。




こんなに手のかかっている自然食の会席膳を 料金 3,675円から で提供!
要予約!食材を前もって準備するため必ず電話
0555-76-6662)でご予約ください。
(ご紹介しているのは 3,675円のコースです)


【箸付】餅黍子持ち昆布 菜の花
 
 竹皮の中に、まるでかぐや姫のようにちょこっと納まって
 いるのが一見、子持ち昆布のように見えますが、実際
 口に運んでみるとまるで想像していなかった黍の素朴な
 香りがして驚かされました。
 もっちりとして、粟粒のような黍に昆布が味を引き締めて
 豊かな味わいです。菜の花は辛子和えになっていて
 春の香りが口や鼻いっぱいに漂う。
【前菜】蕪津軽和え 空豆 松葉ゆべし 蕗の薹 トマト梅酢漬 柿胡桃巻き
蕪津軽和え蕪(カブ)の酢漬け、リンゴのすりおろし(柚子風味)をあえ、ずいきの梅酢漬け。
さっぱりした中にそれぞれ素材独自の味がいきています。
空豆は、ゆでてサヤにもどす。つい覗いて空豆を確認するとふと微笑みが出てしまうのはなぜでしょう。
松葉にトロロ昆布と一緒に刺してあるのは
松葉ゆべし
自家製のゆべしを河口湖の寒風にさらすこと2〜3ヶ月。独特の風味とトロロ昆布の味わいある一品です。
蕗の薹は、蕗の薹をカラット揚げて中心に自家製蕗味噌を乗せてあります。春の香が食欲をそそります。
赤くてかわいらしい
トマト梅酢漬けは、すっぱい!でも身体がリフレッシュされていくような気持ち良さです。
柿胡桃巻きも手がかかった一品です。干し柿で胡桃を巻いたものをスライスしてあります。。
味がなじみ干し柿の甘さと胡桃のちょっとしっとりしていて・・・でもサクサク感が残っているところがマッチ!
【吸物】蓮根寄せ しめじ 三つ葉 木の芽
  ダシは上質昆布と干し椎茸。ダシが際立つ薄味で
  さっぱりした汁に、蓮根をすりおろし、板麩で巻いて
  蒸した
蓮根寄せがなんとも上品。
  ニンジンと白シメジ、三つ葉を添えて香り立つ木の
  芽をそっと・・・。
  また椀のふちに添えられた松葉にもてなしの心を感じます。
【向附】
 汲み上げ湯葉 アボカド 刺身コンニャク  岩海苔 
                   つま一式 辛子味噌
 汲み上げ湯葉染み出るコクを味わい、刺身コンニャク
 のプルンとした食感が口の中で辛子味噌と相まって
 鼻をツンと突く刺激の中でもそれぞれの持ち味がおいしい。
 
アボガド岩海苔と、そして桜大根などが彩りを
 添えて春らしい。バランスの取れる
つまと一緒にどうぞ。
【焼き物】鰻蓮根 エシャレット 梅
 アルカンシェールのメインデッシュが「ごはん」ならば、
 その次の座に有るのがこの
鰻蓮根と言えます。
 鰻蓮根は蓮根を9割、山芋1割の割合ですりおろし海苔の
 上に乗せて揚げ、タレを付けて焼いています。
 見た目は鰻・・・でも口に入れるとそのフンワリした柔らかさ
 に驚かされます。砂糖を使わないタレなのに蓮根の甘味
 で甘辛い演出があり、うれしい一品!
 
は、やはり砂糖を使わないのでみりんに漬け込んで
 ある。なのに、梅酒漬けよりしつこくない美味しさに
 びっくりです。
【煮物】竹の子 蓬麩 花人参 鞘隠元

  やわらかい竹の子の含め煮、彩る蛸隠元花人参
  春に思いを馳せさせてくれる一品です。
  そして
よもぎ麩は、一度揚げてから煮含めるという
  手の込んだもの・・・。
  春のよもぎの香りと揚げてあるためか外はしっかり
  中はモッチリした食感がなんとも珍しく楽しい。
  わかめと木の芽を添えて・・・。
【揚物】
 南瓜春巻 ひじり茸 たらの芽 ししとう
        大根おろし  紅塩
  なんと言っても揚げ物のメインは南瓜春巻
 南瓜を裏ごししてシソの葉で巻き、さらに春巻きの
 皮で包んで揚げてある。ちょっとこれってミスマッチ?
 と思ってしまいがちだけど、実は南瓜の甘味とシソの
 香りがそれぞれの良さを引き出して絶品!
 つい「おいしい!」と歓喜の声をあげてしまいました。
 たらの芽の天婦羅は春が香り、飛騨高山で取れたという珍しいひじり茸は歯ごたえがあるおいしさ。
 それらの揚げ物を
緑のししとうがきりりとまとめてくれている。タレは大根おろしに香り高い生姜・
 醤油と、鉄分を含んだ岩塩で、ほんのり赤い紅塩。この紅塩が、それぞれの揚げ物の持つ味を
 引き出している。欲張りなので、大根おろし、紅塩、交互に食べて大満足でした。
【ご飯】   神代赤飯 ごま塩
【味噌汁】 蕪 葱 油揚げ
【香物】  沢庵 胡瓜 牛蒡
   いよいよアルカンシェールのメインディッシュごはんです。季節やメニューによってごはん
    様々なものをだしているそうですが、今回は黒米入りごはん(神代赤飯)。
    黒米は一度煮出して、 その赤くなった煮汁と一緒に炊くので色付きよく香りも栄養素も逃がさない。
    お茶碗にこそっと盛られた黒米・・・。ちょっと足りなめかと思いきや、おなかいっぱいになって
    しまった。このごはん、噛むと噛み戻そうという力があって噛んでも噛んでもなかなか飲み込む   
    までこなれるには時間がかかる。顎の力も強くなり良く噛むことによってお腹が満たされていく。
    また、コクがあっておいしいから、長い間噛んでも飽きがこない。不思議な米でした。

   香の物と、味噌汁が付いて、普段ならこの3品に煮物くらいあれば充分な食事になると思いました。
    もう一つ言い忘れてはいけないのが自家製の「ごま塩」。塩をすり鉢でパウダー状になるまで擂り、
    さらに黒ごまを加えて力を入れずにあたり棒の重さだけで、力を入れずに一時間以上擂る。
    だからこそ、ごはんの味を引き立てる香り高いごま塩になるんですね。

要予約
ご予約は電話0555-76-6662まで。昼夜ともご提供しています。
なお季節や時期ごとに随時お献立内容は変わります。
ご紹介したメユーは『自然食会席』3,675円のコースです。
このほかに『穂ほ恵み弁当(ほほえみべんとう)』1,890円もあります。


【感想】
奥秋さんのお話は、どれも自然の流れとして大いに感心させられるものでした。身体と心のバランスが大事なことが改めてよく分かります。会席膳は、非常に手の込んだもので、これでもかと言うくらい手間隙かけて心を込めて作られていました。特に素材の持つ味を大切にする。という事に徹底して取り組んでいるのが、一品一品ひしひしと伝わってくるお料理でした。ちょっと裏話で家庭でも始められるバランスの取れたお料理作りを伝授していただきました。雑穀・玄米・古代米などを主食とし多く取り、おかずは野菜中心に少なめで7対3。ということでしたのでさっそく帰りがけにいつものお米屋で玄米を買ってきてその日のうちに炊きました。これが非常においしかったのです。ところがその時ふっと奥秋さんの話を思い出しました。「バランスが崩れているとき、病気があるときなどは玄米や五穀米・古代米は格別においしく感じます。元気になるにつれて、調子の良くない時ほどおいしいとは感じなくなる。つまり、身体がそれほど必要としていないことが体感できるようになります。」」・・・・・あれ?大汗
次回は、どんなおかずが良いかアルカンシェールのお料理教室に行こうかな?っと
思ったナビィスタッフでした。



河口湖 アルカンシェール
〒401-0305
南都留郡富士河口湖町大石2498-2
TEL:0555-76-6662 
FAX:0555-76-6682
E-Meilarcen02@mfi.or.jp
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