言わずと知れた日本一高い山、富士山。7月1日、今年も山開きが行われ本格的な登山シーズンがやってきました。遠くの人も地元の人も、日本人なら一度は富士山に登ってみたいはず。
これから登山する人には豆知識として、山が苦手な人は登った気分を味わってみて下さい。
●吉田口・河口湖口登山道●
富士山には静岡県側に3ヶ所と、山梨県側に1ヶ所の登山道があります。それぞれに特徴がありますが、吉田・河口湖口は東京方面からも近く、5合目には車で行けて小屋や郵便局などもあり、最も賑わいのある人気のコースです。5合目まで有料の富士スバルラインを通り、駐車場に車を停めてそこから登り始めます。
富士山は簡単に登れるような気がしますが、実際には危険も多く、標高3,000mはなま優しいものではありません。十分心構えをして登りましょう。


北口本宮富士浅間神社
富士山を祀る神社です。まず登る前に、前途の安全を祈願して参拝しましょう。
◆中の茶屋
鋪装された道の終点です。辺りにはフジザクラやミツバツツジの群生地があり、春には幻想的な花景色を見ることができます。
◆…富士スバルラインを利用する場合は通りません。


■5合目
ここまで来ると、目の前に富士五湖を見渡す壮観な景色が開けます。小御岳神社には「お天狗様」の伝説などもあります。頂上までの間には溶岩の赤い地面が続き、貴重な高山植物の可憐な花々が登山者の目を楽しませてくれます。
■7合目
登るにつれ道はますます険しくなり、7合目近くではまさに「よじ登る」という感じになります。過去には日蓮宗の僧侶が100日間の修行を行った場所でもあります。
■本8合目
登れど登れど8合目は長く感じ、一番きつい場所です。ここで静岡県側の須走口と合流します。
■頂上
8合目からの険しい勾配を登った後についに頂上へ到達します。鳥居をくぐればそこは日本一高い場所です。火口である1周約3kmの「お鉢」をひとまわりすれば、感慨もひとしおです。最高峰の「剣ヶ峯」や、「久須志神社」「浅間大社奥宮」、銘水が出たという「金明水」「銀明水」もあります。

●登山の準備●
高山を何kmも歩くわけですから、必要なものをしっかりと用意し、できるだけ身軽にして無駄なものは持たないのがコツです。ふもとは夏のうだるような暑さでも、標高3,000mでは0〜10℃の真冬の寒さです。Tシャツに短パンでは登れません。装備と防寒対策をしっかりとしましょう。

くるぶしまであるトレッキングシューズが良い。はき慣れたものを。
デイパック 背負いやすいものを。
服装 動きやすい長袖、長ズボン、暖かい下着、着替え、厚手のハイソックス、
ウインドブレーカー、セーター
気温の変化が激しい山には必需品です。)
雨具 急な天候の変化に。上下の別れたフード付のしっかりしたものが良い。カッパは×
帽子 高原の日射しは強烈なのでつばの広いものを。
雑貨 ヘッドライト(懐中電灯)
食料 自分で飲食するものは自分で用意するのが基本。簡単に食べられるおにぎりや、吸収の早いスポーツドリンク、疲れた時に飴やチョコレートも効果あり。

●上手に登るために●
高所のために気圧が低く、酸素が薄くなっています。急に登ると頭痛や吐き気など気持ちが悪くなることがありますので(高山病)、まず5合目で1時間ほど慣らしてからペースを取って少しづつゆっくりと登ると疲れにくくなります。

●富士山あれこれ●
○富士山はいつから登れる?
山開きの7月1日から山仕舞いの8月26日頃までです。山小屋や郵便局、その他のサービスもこの期間のみ営業しています。
お盆には富士スバルラインがマイカー規制されますので注意。
○富士山から電話ができる?
登山シーズン中、一部の携帯電話会社ではアンテナを設置するなどして通話できるようになります。
気象条件などによっては電波が入らない場合もあります。
○富士山のお楽しみ
・山頂の特設郵便局から手紙を出すことができます。ここでのみ押される風景入りの消印は、
 日本一の山へ登った良い記念になります。
・各山小屋で「金剛杖」に記念の焼き印を押してもらうことができます。(有料)
 「金剛杖」は山小屋で購入できます。
・ふもとと違って山頂は大分気圧が下がります。ポテトチップスの袋を持っていくと…?

●関連リンク●
富士スバルライン有料道路…通行可能状況をチェックできます。
富士ビジターセンター…富士山の歴史や自然などを学ぶことができます。
富士山ボランティアセンター…登山や富士山のことが詳しく学べます。

●山小屋リンク●
山口屋(吉田口頂上) 頂上富士館(富士宮口頂上) トモエ館(吉田口本8、7合目)
白雲荘(吉田口8合目) 太子館(吉田口8合目) 江戸屋(須走口8合目)
元祖室(吉田口8合目) 鳥居荘(吉田口7合目) 日の出館(吉田口7合目)
五合目レストハウス
(吉田口5合目)
   

●富士山を守ろう●
近年、富士山のゴミが大きな問題となっています。このゴミのせいで世界遺産にも登録されませんでした。登ることが大変なように、ゴミを清掃し、片付けるのはもっと大変な作業です。きれいな富士山を未来に残すために、自分の持ち込んだゴミは自分で持ち帰ることを心がけましょう。これは登山者の最低限のルールです。喫煙する人は携帯灰皿も忘れずに。



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